大判例

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広島高等裁判所 昭和27年(う)128号 判決

しかし憲法における表現の自由と雖も、国民の無制約な慾意のままに許されるものではなく公共の福祉によつて調整されなければならないものであることは憲法第一二条第一三条の現定によつても明らかなところである。そして公共の安全に明白な危険をもたらすものであるならば、その結果が発生するまで何等の措置をもなすことなく手を拱いて傍観していなければならないというものではなく、これによつてもたらす危険を防止するため予め一般的に或る程度の制限を設けることも公共の安全を確保する上から誠にやむを得ないところであるといわねばならない。所論の本件小野田市示威行進及び集団示威運動取締条例は、地方自治法第十四条第二条第三項第一号の規定に基いて地方公共の安全を維持するため制定されたものであつて、その内容は示威行進若しくは集団示威運動を行わんとする場合は主催者から四十八時間前までに(所論の七十二時間前というのは昭和二十四年十一月十四日改正されたものである)公安委員会に対して許可申請書を提出しその許可を受けねばならないことになつているけれども、一面公安委員会は該行進又は示威運動が他入の個入的権利又は街路の使用を妨害し、或は公共の安全を乱すおそれがあると認める場合の外は許可しなければならないものと定められ、なお、許可を与えなかつた場合は直ちにその理由を附して市議会に報告しなければならないものとし、以て不許可の場合を限定し不当に不許可処分の行われることを防止する保障規定も存しているところであるから(第三条)所論のようにその制定において無制限のものというを得ないのみならず、現在の情勢にかんがみ、地方公共の安全を維持するためには右程度の制限はやむを得ないところであると認められ、従つて同条例は未だ以て憲法第二一条に違反する無効のものとは断じ得ないのである。論旨はこれと反対の見解に立ちその違憲無効を主張するものであつて採用することができない。

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